キャンピングカーや車中泊など、限りがあるスペースと電気を利用するには、需要と供給のバランスが重要です。需要側は必要とする電気製品、供給側はエネルギーを貯蔵するバッテリー、オーナーそれぞれの趣味やライフスタイルに合わせて、どの程度の電気が必要なのか、使い方から必要な消費電力を計算し、自分にあった電気の需給システムを予想します。需要と供給のバランスが取れたとき、快適な空間が実現できます。
需要側:電気製品の消費電力
最初に、電気の単位をおさらいしましょう!電気の世界でよく登場する電気の単位は電圧(V:ボルト)、電流(A:アンペア)、電力(W:ワット)があります。水道水に例えるなら「電圧=水圧」、「電流=水流」、「電力=水量」です。水道の蛇口のひねり具合で水圧を調整し、水流と掛け合わせることで水量が決まります。これと同様に、電圧と電流の積が電力です。
単位の表す内容
電圧V(ボルト):電気を送り出す強さ
電流A(アンペア):電気を流れる量
電力W(ワット):消費される電気の量
必要電力の計算方法
V(ボルト)×A(アンペア)=W(ワット)
一般的な電気製品の消費電力は下表にまとめ、消費電力(W)に消費時間(h)を掛け合わせると必要な電気量(Wh)がわかります。
電気製品 | 消費電力(W) | 消費時間(h) | 消費電気量(Wh) |
---|---|---|---|
FFヒータ | 14~29W | 8時間 | 112~232Wh |
20型液晶テレビ | 40~50W | 2時間 | 80~100Wh |
ノートパソコン | 50~120W | 4時間 | 200~480Wh |
扇風機 | 50~60W | 8時間 | 400~480Wh |
電気毛布 | 50~90W | 8時間 | 400~720Wh |
ヘアアイロン | 150~240W | 10分 | 25~40Wh |
冷蔵庫 | 40~500W | 24時間 | 960~12000Wh |
炊飯器 | 350~1200W | 40分 | 230~800Wh |
コーヒーメーカー | 450~650W | 10分 | 75~108Wh |
こたつ | 600~800W | 1時間 | 600~800Wh |
電気ポット | 700~1000W | 10分 | 117~167Wh |
ドライヤー | 600~1200W | 10分 | 100~200Wh |
オーブントースター | 500~1200W | 20分 | 167~400Wh |
エアコン | 400~2000W | 6時間 | 2400~12000Wh |
ホットプレート | 1300W | 10分 | 217Wh |
電子レンジ | 1300W | 10分 | 217Wh |
IH調理器 | 3000W | 20分 | 1000Wh |
供給側:バッテリーの供給電力
キャンピングカーや車中泊、アウトドアなど、商用電源(電力会社からの供給)が取れないシーンでは、電気製品に電力を供給する役割を果たすのがバッテリーです。バッテリーの電気容量を表す単位はAh(アンペアアワー)で、1時間あたりの電気の流れる量を示しています。例えば100Ahであれば、1時間で100Aの電流を流すことができます。モバイルバッテリーではmAhで表記することが多いですが、mは10-3を表していて、10000mAhであれば10Ahになります。
バッテリー容量の単位
Ah(アンペアアワー):蓄える電気容量
供給電力の計算方法
V(ボルト)×Ah(アンペアアワー)=Wh(ワットアワー)
例:12V×100Ah=1200Wh
需要側である電気製品の消費電力を確認して、おおよその使用時間を考慮し、供給側であるバッテリー容量を適切に選びましょう。バッテリー容量が大きいほど使用する時間が長くなるイメージです。
キャンピングカーカテゴリーからバッテリーの選び方
利用する目的や車の形状、大きさ等によって、装備する電気製品は異なります。軽キャンパーや車中泊など寝るだけメインなら、手軽に持ち運べて、電源コードをつなぐことで電気製品が使えるポータブル電源をおすすめします。ある程度電気製品が使用されるバンコンは12V100Ah~200Ahのサブバッテリを装備したほうが良いでしょう。一方で電気製品が多く使用されるキャプコンやバスコン、フルコン、キャンピングトレーラーなどは12V300Ahのサブバッテリとインバータ、ソーラーパネルを装備したバッテリーシステムは、より快適に過ごすことができるでしょう。
ハレスイッチ(Hare Switch)はキャンピングカーや車中泊など、各利用シーンを考慮した商品を提供しています。